伝わる中国語

語学初心者が中国語中級レベルになるまでの経験をもとに、中国語の勉強法について語るブログです。

日本人にとって中国語は学びやすい言語でしょうか?

日本および中華圏では日本語・簡体字・繁体字と形は異なるものの、共通の漢字が多いため、日本人にとって中国語は理解しやすく学びやすい言語だと思われている節があります。

実際のところどうなのか、私が中国語学習前と学習後で感じたことを書きます。

 

 

筆談や旅行に必要な単語を覚えるのは簡単

中華圏に旅行に行った日本人はよく「漢字を見ればわかる」と言います。特に香港・マカオや台湾といった繁体字圏の漢字は日本の旧字体と近いため、看板やチケットなどの短い単語であれば、見れば意味がなんとなく予想できるとおっしゃる方が多いです。

簡体字も、旅行本に載っているような頻出単語であれば日本人にとっては比較的覚えやすいはずです。耳で聞く発音は日本の漢字の音読みとはかなり異なりますが、近い発音のものもあるので親しみを感じることもよくあります。

実際に勉強を始めてみると「なんとなくわかる」と思っていたものが全然違う意味だったりすることもありますが、それでもタイ語やアラビア語のような見慣れない文字の言語に比べると心理的ハードルは低いでしょう。

発音の壁

中国語圏に行った日本人が次に感じることは、上にも書きましたが、目で見ればなんとなくわかる単語でも日本語の発音とはかけ離れているということです。

中国語(マンダリン)における発音のうち、まずは日本語にはない音が沢山あります。カタカナで書いた中国語がネイティブに伝わらない理由は発音をカタカナで表記するのに限界があることと、決定的に違うのは声調という日本語にない発声の方法です。

 

声調とは日本語でいえばイントネーションのようなものですが、どれほど重要かということは学習をしたことがない人にはなかなか理解されません。

「漢字なので、ビジュアル的にとっつきやすそうだから」という理由で中国語を勉強してみようかと思った方のうち、90%以上はまずここで脱落していてもおかしくないのではないでしょうか。声調は日本人のみならず、英語圏の人にとっても難しい要素だそうです。

 

私も勉強を始めたばかりの頃、たいていの言語は語尾を上げれば疑問系になると思っていましたが、中国語ではそうはならないと知って驚きました。中国語は声調があるため、語尾が単語になる場合のイントネーションはその単語が持つ元々の声調のままです。

中国語は基礎発音が一番大変

中国語の発音をマスターするのは容易ではありません。ピンインや台湾の注音符号といった特別な表記を除いて中国語は漢字で表記されますが、日本語にはない発音にさらに声調が加わるため、リスニングができても声調のコントロールが難しくて話せないという方も多いです。

 

発音を練習する方法はネイティブの発音を聞くだけではなく、何度も繰り返して発声する必要があります。そしてただ闇雲に口を動かすのではなく、具体的には

  • 顔の筋肉の動かし方
  • 舌の位置、口の開き方
  • 息の出し方
  • 音の響かせ方

といった点を理解して意識しながら発音します。日本語では使わなかった体の動かし方をするため、筋トレや球技でいう素振りやフォーム練習のようなものだと思ってください。

そして声調はよく音階に例えられるので、一つ一つの単語にメロディーがついているようなイメージです。メロディーの難しい歌は何度も歌って身につけるしかありません。

 

一ヶ月の中国語留学でどれくらい話せるようになるか の記事内でも書きましたが、私の場合はほぼ発音練習のみで30時間ほど勉強しました。地味で辛い作業ですが、大人になってから勉強した私には必要な行程でした。

発音の壁を乗り越えた後は日本人には有利な言語

中国語の基礎発音と書きましたが、発音には初級も中級もありません。発音をより正確に、声調の上げ下げをより自然に、あるいはより標準的な発音に近づける……といった段階はありますが、日本語の五十音と同じく、基礎的な発音を一通りマスターすればあとは単語と文法・センテンスを覚えていけばよいのです。

 

さて、この中国語の発音をマスターする段階までたどり着いた日本人のうち、初級の中くらいになった人は気づくと思いますが、中国語の漢字の発音にはいくつかの法則があります。

例えば日本語と同様に同じ部首を持つ漢字は発音が似ていたり、日本語で「キ」と読む漢字は「qi」になりやすい、などなど。例外も多いですが、これに気づくと読み方を覚えるのがかなり楽になります。

また日本語と現代中国語は全く同じ意味の単語も多いので、会話の内容と発音から、知らない単語でも意味を推測するということもできるようになります。ヨーロッパ圏の言語同士で綴りの似た単語、あるいは読み方は違っても同じ意味の単語がよくあるのと同じです。

 

日本語の漢字には音読み訓読み、さらに地名や人名など固有名詞特有の読み方をすることがあるため覚えるべき情報が多いですが、中国語は一つの漢字に複数の読み方がつくことは日本語に比べると少ないです。

そして会話の中で同音異義語があっても声調が違うため、それぞれ別々の単語として認識できます。日本語を例にすると「貴社の記者が汽車で帰社した」の「キシャ」の発音が4通りあると言えばわかりやすいかもしれません。考えようによっては声調は便利です。

そういった中国語の学び方のコツを少しずつ掴んでいくと、わからないことだらけだった最初の頃より苦ではなくなるはずです。 

 

そんなわけで、発音があまりに違うため中国語は難解に感じるかもしれませんが、それでも日本語知識の応用がしやすいという点で、漢字圏の日本人が勉強するには比較的学びやすい言語であると私は考えます。